江戸時代の武士、農民、町人になった気分が味わえる「房総のむら」 千葉県・房総風土記の丘を歩く

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考古学ファン必見の「風土記の丘資料館」

千葉県栄町と成田市の旅を続けます。今回、歩くのは「房総風土記の丘」。ここに来るのは二回目ですが、前回は図書館でウォーキングのガイドブックを何気に見ていて、矢も盾もたまらずに行ってみたいと思ったのです。

風土記の丘というネーミングもロマンチックですが、古墳群の丘と江戸時代の村とのコラボが味わえるのも魅力ですね。それにしても、炎天下、前回のラビリンスで迷いまくってかなり体力を消耗してしまいました。それに、古墳の森の中を縦横無尽に歩きまくったので、疲れがピークに…。

少し休まないと熱中症になるかもと思ったとき、目の前にレンガ色の建物が現れました。

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これは、風土記の丘資料館。冷房がきいているみたいなので、何はともあれ緊急避難することにしました。入館料300円を支払って中に入ると、冷房が効いていてスーッと汗が引いてゆくのがわかります。オアシス体験ができて、まさに、極楽。

館内には、県内の遺跡から出土した原始、古代、中世の遺物が多数展示してあります。ここは体験型博物館でもあって、勾玉や土器作り、組紐作り、浮世絵の摺り、千代紙ろうそくや張り子の絵付けなどが体験できるみたい。

館内展示だけではなく、古い建物を移築した屋外展示も充実しています。もらったパンフレットを見ると、江戸時代の農家や武家屋敷、商家が広い園内に散在しているような。

 

700年以上経っても、庶民の住まいはほとんど同じ?

まずは資料館の裏手にある竪穴式住居に向かいます。そこには弥生時代と古墳時代の二つの住居が復元展示されていました。二つの住居はほとんど同じ時代に作られたように見えますが、解説板を読むと、700年以上も時代が離れているらしい。

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現代から逆算すると、鎌倉時代後期くらいですよ。もちろん古墳時代の豪族はもっと良い家に住んでいたのだと思いますが、庶民の暮らしぶりは縄文・弥生とほとんど変わらなかったのですね。

そこから考えると、昭和から平成に向けて暮らしぶりの変化は「激変」と言っていいのかもしれませぬ。幸せになったかどうかは別にして、便利になったのは間違いありませんが。

実際、竪穴住居の中に入ってみても、時代の差というものはほとんど感じません。入り口が丸太を削った階段で入るか、作り付けの階段で入るかの違いくらいですかね。中は炎天下よりは涼しかったですが、日中ずっとここで暮らすのはかなり大変だと感じました。いずれにしても、大昔に生まれなくて良かったとは思いましたが。

 

江戸時代の豪農の暮らしがリアルに体感できる

竪穴住居から見学ルートに戻り、水田のエリアを歩きます。

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日本の原風景を眺めてから、「上総の農家」へ行くと、リアルに江戸時代の農家を訪れるような実感がありました。

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こういう展示は、先日行った世田谷や小金井のときも体験済みですが、ここまで本家的な水田や畑があると施設の中というのを忘れてしまいそう。「上総の農家」は、パンフレットによると、大網白里町に江戸時代末期に建てられた名主クラスの農家だとか。中二階があるのが特徴ですね。

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房総のむらを分断するバイパスにかかる橋を渡ると、同じく下総、安房など今の千葉県にあたる地域の古い農家が移築されていました。

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これは、現在の成田市にあったという農村歌舞伎の舞台。テレビではたまに見ますが、リアルで見る機会はほとんどないですね。舞台の中央には、人力の廻り舞台がありました。

近くには、実際粉をひく水車小屋があり、穀類を精白している様子を見ることができます。

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水田から丘を上って行くと、「下総の農家」と「安房の農家」があります。広々とした畑に囲まれているから、移築展示されている建物というより昔からここにあったように見えますね。

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「たそがれ清兵衛」の世界を体感できる

再び橋をわたって、「上総の農家」から「武家屋敷」へ。

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これは古い建物ではなく、当時の佐倉藩の武家屋敷を再現したものでしたが、「たそがれ清兵衛」や「武士の一分」の主人公が暮らす家みたいで面白かったです。

この屋敷は、90石取りの中級武士の家を再現したものらしいですが、建坪はそれほど大きくないものの、庭に畑もあったりして暮らしやすそうでしたね。

映画なんかでは、貧乏な武士がまき割りをしているシーンがありますが、まさに同じ場所に、まき割りの木が置かれていたりして、イメージが膨らみました。映画の中で武士の妻を演じた宮沢りえや壇れいが現れそう。

 

ふるさとの技を体験できる商家の街並み

武家屋敷の隣にあるのが商家の町並み。商家16棟と地蔵堂、辻広場、稲荷の境内などで構成されているそうな。

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映画の宿場町のセットみたいで、素浪人月影兵庫がどこからともなく現れそうな雰囲気です。

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しかも、商家では実際、お菓子やお茶、瀬戸物、紙、細工などが販売されていたり、その作り方を体験できたりするコーナーもありました。 それぞれの商家の2階は、その商品のミニ博物館にもなっているのですね。一軒ずつ見学したのですが、冷房が効いていないので我慢比べ大会みたいでしたが。

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無料エリアも見どころがいっぱい

有料エリアを出て再び古墳群の道をたどり、無料エリアにある旧御子神家住宅と旧平野家住宅へ。

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どちらも江戸時代、千葉県内に建てられた中級農家と名主の屋敷でした。

次に向かったのは、明治32年、東京の四谷に建てられた「旧学習院初等科正堂」。明治の洋風学校建築の代表的なものとして重要文化財に指定されているとか。

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中にも入ることができて、だだっ広いフローリングの床と演壇に当たる部分に重々しい柱があるのが印象的でした。当時の学習院の権威が感じられましたね~。

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音響効果を考えて作られているみたいで、声がよく響くんですよ。誰もいなかったので、お約束の黄金バットの笑い声を。

いや~、こんなに「ワハハハハハハハハハハハ~」が響く空間は初めてですな。四方八方から声が降ってくる感じで鳥肌が立ちました。当時、マイクはなかったと思いますが、校長先生のお話もきっとこの広い空間隅々まで届いたのでしょう。

でも後で、こんな神聖な空間で黄金バットをやってしまい、校長先生から叱られた気分になりました。

そういえば子供の頃、体育館で黄金バットの笑い声をして先生に叱られたことがありましたね。三つ子の魂百までもいいますが、当時から何十年経っても、全く成長していないと感じる今日この頃。当時を思い出しつつ、講堂の後ろで正座をして反省したのでした。

広い前庭を通り、次に向かったのが「復元古墳」。

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正式には、龍角寺古墳101号墳というらしいですが、当時の古墳の様子が再現され、263個の埴輪が見事に配置されていました。ちゃんと理由があるのだと思いますけど、当時の人たちの思いにしばし時を忘れて見入ってしまいますね。

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