あじさいと川辺と太陽がいっぱい 東日本最小面積の町・神奈川県開成町を歩く

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あこがれのロマンスカーの運転席に座ろう

今回行ったのは、神奈川県西湘地区にある開成町。

この町を知っている人は少ないかもしれませんね。面積は6.56km2と、神奈川県内で最小面積の自治体のみならず、東日本にある町の中でも最小面積なのだとか。

開成町という、いかにも頭が良さそうな町のネーミングは、旧延沢村に開校した開成学校から取られたものらしい。

私がこの町を訪れてみようと思ったのは、都内の駅で開成町の観光マップを手に入れたからです。

何でも、6月初旬から中旬にかけて、「開成あじさい祭」が開催され、町全体があじさいの花で一杯になるそうなんですよ。

行った日は、昨年6月の中旬。町のホームページで、あじさいが見頃を迎えた時期でした。

ウォーキングのスタートは、小田急の開成駅の東口です。

マップを手に駅前を眺めると、目の前の駅前第二公園に小田急ロマンスカーが展示されているではないですか。

CA3A9061

私は鉄ちゃんではないですが、車両の先端が展望席となっている独特のフォルムは子供の頃から注目していました。

近くに寄ってみると、なんと内部も見学できるみたい。

通常は、毎月2回、第2、第4日曜日に無料公開(雨天は中止)されているそうですが、あじさい祭のときは平日も公開されているのですな。

スリッパを履いて中に入ると、後方の座席は撤去され、当時の写真が展示されていました。

CA3A9070

何と、2階部分の運転席にも上がれるみたい。一度、ロマンスカーの運転席に座ってみたかったので喜び勇んで狭い階段を上ります。

CA3A9064

うわっ、チョー狭い。

運転席に腰掛けるだけでも、体をかがめてカニ歩きをする姿勢を強いられます。

ようやく運転席に腰を下ろしたのですが、優美な外観からは信じられないような座り心地。   一言でいえば、風呂場の椅子に腰をかけたまま車を運転する感覚と言ったらいいでしょうか。

折りたたみ椅子を縦横高さ2分の1にした物体に腰を下ろしている感じでした。

私は身長175センチ、68キロで決して大きくはないのですが、10分座ったら完璧に腰を痛めるでしょうね。

CA3A9065

新宿から箱根まで、家族が和気あいあいと車窓風景を楽しみながら旅を満喫しているすぐ傍で、運転手さんがこんな苦行を強いられていたのですね。

当時の運転手さんは小柄だったのかもしれませんが…。

ロマンスカーを下りて背筋をストレッチしたのは言うまでもありませぬ。

酒匂川沿いの遊歩道には、昔の治水工法の展示物がある

少し歩いて酒匂川沿いの遊歩道へ出ました。

CA3A9074

昨日までの大雨が嘘のように晴れ渡り、のどかな川辺の景色が広がります。

CA3A9071

酒匂川は神奈川県では相模川に次ぐ流域面積を持つ大きな河川。さまざまな形をした山並みも楽しめました。

CA3A9075

酒匂川沿いの遊歩道を歩いていたら、治水関係の碑や昔ながらの治水工法の展示物が見られました。

今はのどかな川辺の風景ですが、これまで何度も洪水の被害をこの地域にもたらしたようですね。

木工沈床は、堤防護岸の前面に設置し、 洪水のときに護岸が抉り取られるのを防御したらしい。

CA3A9079

聖牛と呼ばれる治水工法は、他でも見たことがあります。洪水時に上流から流れてくる石を堰き止めて堤防を守ったそうです。

CA3A9082

面白い形で、これは武田信玄が考えたものだとか。

今でも自然災害は脅威ですが、ブルドーザーもシャベルカーもなかった当時、自然を相手に知恵を絞った苦労が偲ばれました。

多くの人たちがパークゴルフを楽しむ開成水辺スポーツ公園から川辺の遊歩道を離れ、内陸部に向かいます。

CA3A9091

あじさいと水田や山、青空との相性はバツグン

小田急線の線路をくぐり、しばらく歩くと何の変哲もない住宅街。

しかし江戸時代、この辺りは幕府代官・蓑笠之助の陣屋があったらしい。

CA3A9092

当然、条件反射で堀や土塁を探してしまいましたが、何の痕跡も残っていませんでした。

吉田神社や馬頭観音石碑群などの解説板を読みつつ、本日最大の目的地・あじさいの里を目指して歩きます。

CA3A9094

だんだん歩行者が増えてきて、あじさいの里が近づいているのがわかりました。

県道を越え、あじさいの里の道標に従って歩いていくと、田んぼのわきに薄いブルーの花をつけたあじさいが出迎えてくれます。

CA3A9098

あじさいの里というから、広い公園かと思っていたのですが、水田のあぜ道にさまざまな色のあじさいが植えられているのですな。

CA3A9116

あじさいといえば鎌倉のあじさい寺みたいに、視界に入る圧倒的なボリュームのあじさいをイメージしてしまいます。

こちらのあじさいの里はどちらかといえば、目に入る量はさほどではありませぬ。

CA3A9102

しかし、水田と周りを囲む山々、そして広い青空とコラボで楽しめる魅力がありました。

CA3A9134

あやめが植えられているゾーンもあって、人気を集めています。

CA3A9103

東京にもあやめの名所がいくつかありますけど、ビルや住宅に囲まれた場所で眺めるのと違い、圧倒的な解放感がいいですね。

CA3A9109

もっとも、あじさいやあやめに限ったことではないと思いますが…。

 

取材日 2014年6月13日

follow us in feedly